【書評】京都船岡山アストロロジー2 星と創作のアンサンブル/望月麻衣/講談社文庫

書評
※書影は版元ドットコム様より
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ーーつくるなら、『売れるもの』じゃなく、『自分なら絶対買ってしまうもの』をつくる。これって、似て非なるものなんだ

 今回ご紹介させてただく作品は、望月麻衣・著『京都船岡山アストロロジー2 星と創作のアンサンブル』になります。そうです! 第一作目から約8ヶ月を経ての続編。早速Amazonさんでの予約購入に踏み切らせていただきました。

【書評】京都船岡山アストロロジー/望月麻衣/講談社文庫ーーわちゃわちゃ占星術コメディー⭐︎
ーーどこにいても、それぞれに苦労をし、後悔をする時もある。大事なのは、自分で選ぶことなのだと——。  今回ご紹介させていただく作品は、望月麻衣・著『京都船岡山アストロロジー』になります。おかざきおかさんの表紙イラストが良き。  アストロ...

 前作はですね、物語の導入的な側面、言ってしまえば登場人物の紹介的なものを交えながらコミカルにわちゃわちゃとした仕上がりになっていたように感じます。
 ですが、今作ではそこから一気にズバーンと掘り下げて来ましたよ!

 前作1巻では、物語の視点は主人公の高屋誠に固定されておりましたが、今作はヒロインの神宮寺桜子の視点も加わり、高屋誠の視点とほぼ交互に切り替わっていく構成。そのため面白いリズム感で読み進めることができました。
 そして、高屋の編集者として、また桜子のクリエイターとしての行動理念などがシュパーンと飛躍を遂げる内容となっております。ズバーン シュパーン!
 まあ桜子は今作の中で歓喜と興奮と落胆と絶望を味わうこととなるのですが、笑
 そういう試練を経て、まだ高校生ですからね。成長の伸びしろは無限大です。彼女の過去とか、それを踏まえた上で前進しちょっぴり大人になっていく姿とか、上手に描けているなぁと感じました。お得意の占星術も、自分を見つめ直すための武器として大いに役立てています。
 高屋のほうも、1巻では”若干やらされていた感”のあった占い雑誌『ルナノート』の担当も、今作では新しい仕事と役割をその身に実感しながら、少しずつ自分なりの答えを導き出していくような、そんな描写が随所に見られました。

 あとは高屋と桜子の2人の関係ですよね。1巻では高屋がやらかしてしまいましたからね笑 そこからある程度月日が経過して、詳しくは書きませんけど、私は好きですね、こういう展開は。。

 私は読書が好きなのと、SNSなどで執筆活動をされている方々をよく拝見させていただいているのもあって、出版業界ものってやっぱり興味深いし面白いなと感じます。
 普段クリエイターさんたちがどのように苦悩して一歩また一歩と進んでいるのかとか、web小説でウケた作品がどのような仕組みで紙の本として世に広められていくのかとか。そこにどれだけの人が関わって、どれだけの努力があるのかとか。。
 どれだけいい作品でも売れずに埋もれていってしまうものもあったり、なんとなく書きあげた作品が、時の運で大ヒットを飛ばしてしまうこともある。。
 業界本としても、程よく深いところまで切り込んでいるので、世のクリエイターさんが読んでも楽しめるやもしれません。

 今作は高屋と桜子の成長をかなーり深掘りした内容になっているとはいえ、まだまだこの先の期待感を仰ってくるような終わり方でした。次の『京都船岡山アストロロジー』はよー!!

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 前作はですね、物語の導入的な側面、言ってしまえば登場人物の紹介的なものを交えながらコミカルにわちゃわちゃとした仕上がりになっていたように感じます。
 ですが、今作ではそこから一気にズバーンと掘り下げて来ましたよ!

 前作1巻では、物語の視点は主人公の高屋誠に固定されておりましたが、今作はヒロインの神宮寺桜子の視点も加わり、高屋誠の視点とほぼ交互に切り替わっていく構成。そのため面白いリズム感で読み進めることができました。
 そして、高屋の編集者として、また桜子のクリエイターとしての行動理念などがシュパーンと飛躍を遂げる内容となっております。ズバーン シュパーン!
 まあ桜子は今作の中で歓喜と興奮と落胆と絶望を味わうこととなるのですが、笑
 そういう試練を経て、まだ高校生ですからね。成長の伸びしろは無限大です。彼女の過去とか、それを踏まえた上で前進しちょっぴり大人になっていく姿とか、上手に描けているなぁと感じました。お得意の占星術も、自分を見つめ直すための武器として大いに役立てています。
 高屋のほうも、1巻では”若干やらされていた感”のあった占い雑誌『ルナノート』の担当も、今作では新しい仕事と役割をその身に実感しながら、少しずつ自分なりの答えを導き出していくような、そんな描写が随所に見られました。

 あとは高屋と桜子の2人の関係ですよね。1巻では高屋がやらかしてしまいましたからね笑 そこからある程度月日が経過して、詳しくは書きませんけど、私は好きですね、こういう展開は。。

 私は読書が好きなのと、SNSなどで執筆活動をされている方々をよく拝見させていただいているのもあって、出版業界ものってやっぱり興味深いし面白いなと感じます。
 普段クリエイターさんたちがどのように苦悩して一歩また一歩と進んでいるのかとか、web小説でウケた作品がどのような仕組みで紙の本として世に広められていくのかとか。そこにどれだけの人が関わって、どれだけの努力があるのかとか。。
 どれだけいい作品でも売れずに埋もれていってしまうものもあったり、なんとなく書きあげた作品が、時の運で大ヒットを飛ばしてしまうこともある。。
 業界本としても、程よく深いところまで切り込んでいるので、世のクリエイターさんが読んでも楽しめるやもしれません。

 今作は高屋と桜子の成長をかなーり深掘りした内容になっているとはいえ、まだまだこの先の期待感を仰ってくるような終わり方でした。次の『京都船岡山アストロロジー』はよー!!

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